ラベルには、「ナチュラル」とよく書いてあるのですが、成分表示を見てください。日本の製品の成分表示と違って、アメリカのものには、例えば「カルシウム」とだけ書いてあるのではなくて、「グルコン酸カルシウム」とか「炭酸カルシウム」とかちゃんと書いてあります。こういう場合、炭酸カルシウムはともかく、グルコン酸カルシウムには、天然で健康(栄養)補助食品に利用できるものはありません。ブドウ糖を酸化させたうえに、炭酸カルシウムを反応させてつくった合成のミネラル化合物なのです。しかしラベルには「ナチュラル」と堂々と書いてあるのです。ビタミンに至ってはアメリカの表示でも見分けがつくのは、ビタミンEぐらいのものです。以前、「ナチュラル」とラベルに書いてある製品のメーカーから製品仕様書を取り寄せたことがあります。この製品仕様書は、材料の由来から割合まですべて記してある製品の設計図ですから、企業秘密になります。ですから通常は消費者には開示されません。何とか取り寄せてみて、あぜんとしました。「ナチュラル」と書いてある製品のほとんどが合成だったのです。彼らの考え方はこうです。ミネラルそのものは合成でつくれないのだから、もともとは天然(ナチュラル)だ。原料がコーンで天然のものだから、そこから合成してできたビタミンCも天然だといい張るのです。そんな理屈をいったら、石油も天然資源なのですから、石油からつくったプラスチックも天然になってしまい、世の中のすべてのものが天然になってしまいます。何という論理でしょうか。話になりませんでした。本来、天然というのは自然に存在するそのままのものか、自然に存在するものから抽出しただけのものをいうのです。自然のものに何かを化学反応させてできたものを天然とはいいません。皆さんはそんな常識はずれの会社もあるのかと思うかもしれませんが、この会社はビタミンなどの健康(栄養)補助食品の会社としては、アメリカでもトップクラスの会社なのです。ほとんどのアメリカの会社は、この考えと変わりません。今のアメリカの標準的なレベルはその程度なのです。アメリカの健康(栄養)補助食品を選ぶ際には、以上のような事実を押さえたうえで、「ナチュラル」などという単なるイメージに近い言葉に惑わされずに、ラベルに書いてある成分表示や説明をじっくり見て製品を選ばないといけません。「ナチュラル」という言葉は、単なるキャッチフレーズとして使われていることが多いのです。本来の意味での天然であれば、ラベルにその旨の説明がしてあります。以上のことは、日本より進んでいるアメリカの健康(栄養)補助食品を選ぶ際に気をつけなければならない問題点です。日本の標準的な健康(栄養)補助食品は、それ以前の段階です。20年以上遅れている日本の健康(栄養)補助食品を30年進めるために必要なこと日本の健康(栄養)補助食品はアメリカより軽く20年は遅れています。あるいはそれ以上遅れているかもしれません。しかし賢い消費者とそれにこたえるメーカーさえいれば、すぐに逆転さえできるのです。現在のアメリカのレベルは、栄養素は合成でも天然でも変わりがないと考えているレベルです。いまでは皆さんも、合成と天然の違いについて知っています。そして単に天然から成分を抽出したものではなくて、成分がそのまま含まれた形の栄養素、つまり無精製栄養素についての知識を得ました。あとは、メーカーと消費者とで、無精製栄養素の健康(栄養)補助食品を日本で育てていけばいいのです。自然をバラバラにするのではなく、自然の持つ力を最大限に利用できる健康(栄養)補助食品を育てるのです。こういう健康(栄養)補助食品が普及すれば、日本の健康(栄養)補助食品は、一気に30年進み、アメリカの標準よりも10年は先を行くことになります。