地主と借地人との間で、地代の値上げや更新料の請求などをめぐって思惑がぶつかり合い、関係が悪化することはめずらしくありません。このケースがまさにそうでした。工場が建てられている土地の地代が、自宅用地の地代と変わらず低廉であったことから、地主はこれまで再三にわたって値上げを要求してきました。しかしAさん側か拒否し続けてきたため、現状では、貸地の収支は赤字となっていました。地主側はそのことで不満を募らせ、借地人を快く思っていなかったのです。
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そんなところに建て替えの相談が持ち込まれたことから、積年の思いを晴らさんとげることになりました。私どもで地主と借地人、それぞれの要望について確認したところ、地主側は、借地人との契約を解除し、新たに収益を上げる仕組みを考えたいという意向を示しました。それに対し、借地人はあくまでその土地で収益を上げ、生活していくことを望んでいました。実のところ、Aさんにはそうする以外に選択肢がなかったのです。