私たちのあくなきファッション欲

2011.05.26

私たちのあくなきファッション欲は、アパレル製造業の肥大化を招いてきた。そして、広大な工場地帯が増殖すれば、環境・健康問題も発生するのである。レトロークールな感じが人気のヴィンテージの古着からも、思わぬものをもらってしまうことがある。パンアフリカンーニュースーエージェンシーが最近警告したところによると、折癖や自癖などの皮膚感染や放射能といった深刻な健康被害を被る可能性があるのに、古着を洗わずそのまま着る人は何百万人もいるという。また、衣類の皺取り加工に使われる化学物質や染み取り溶剤などは、労働者を危険にさらし、水や大気を汚染する。ドライクリーニング溶剤のパーク口口エチレンは、最近、国際癌研究機関(IARC)によってヒト発癌性物質の可能性のあるものに分類され、乳癌や肝臓・腎臓の障害など、多くの健康被害に結び付けられている。それなのに、アメリカのドライクリーニング業者の八五%が相変わらず使い続けているのだ。大抵の人は、そうした健康被害の可能性を耳にしているはずだが、それでもドライクリーニングで衣類がぱりっときれいに仕上がることをありがたがる傾向が強い。動物愛護かファッションか。ファッションは、常識を失わせてしまう。また、私たちを洗脳して道徳上の確信を揺るがす妖しい能力も持っている。一九八〇年代に毛皮人気が落ち込んだのは、もちろん、動物愛護活動家が毛皮愛用者を攻撃したせいもあったが、実は単に毛皮がはやらなくなったという部分が大きかった。